「ハカルト」を活用したMSW業務可視化研究の中間報告
患者・家族面談時間は業務の1割未満という実態が明らかに
株式会社最中屋(本社:京都府京都市、代表取締役CEO:結城崇、以下「最中屋」)は、別府大学文学部人間関係学科准教授の今尾顕太郎氏との産学連携共同研究において、第16回日本医療ソーシャルワーク学会北九州大会(開催日:2025年9月6日、7日)にて研究成果を発表いたしましたことをお知らせします。
■研究発表の概要
今尾顕太郎准教授(研究責任者)により「医療ソーシャルワーカーの業務可視化と専門性発揮に向けた実態分析」と題した研究発表が行われました。本研究では、最中屋が開発・提供するタイムスタディアプリ「ハカルト」を活用し、医療ソーシャルワーカー(MSW)の業務実態について詳細な分析を実施しました。
■調査結果のポイント
【患者・家族面談時間の実態】
- MSW1人あたりの患者・家族との面談時間:1日平均23.4分
- 全業務時間に占める面談時間の割合:約1割未満
- MSWの専門性が最も発揮されるべき直接支援業務が、周辺業務により圧迫されている実態が明らかに
【業務の多岐化と課題】
医療技術の高度化と医療制度の複雑化に伴い、MSWの業務は多様化している一方で、本来の専門性を発揮すべき患者・家族との面接時間が十分に確保できていない状況が確認されました。
【研究の意義と今後の展開】
今尾准教授は発表において「MSWのアウトカムを起点に役割・業務を再定義し、現状とのギャップを正しく認識することが、改善の第一歩である」と述べ、専門性発揮を阻害する要因の特定と業務改善の必要性を強調しました。
本研究は、2025年7月より開始された最中屋、別府大学、西南女学院大学、株式会社ケアモンスターによる4者連携の産学連携共同研究の一環として実施されており、今後も継続的な調査・分析を通じて、MSWが専門性を十分に発揮できる環境づくりに向けた具体的な方策を検討してまいります。
■「ハカルト」について
「ハカルト」は、医療・介護現場における業務時間の可視化と分析を可能にし、データに基づく業務改善を支援するタイムスタディアプリです。現場の業務実態を定量的に把握することで、エビデンスに基づいた業務改善提案を実現します。

