プロダクトコンセプト

弊社は、真ん中でケアする人に必要なアプリケーションを提供できれば、ケアを受けている利用者様を人生の最後まで、元気に自分らしく生活できるようになると考えています。

そのため、以下のようなプロダクトコンセプトをもとに、アプリケーションを企画・開発しています。

1. 人間的介護のための科学的介護の実装

弊社は、人間的介護(利用者が人としての尊厳を感じられる介護)を実現するためには、単なる思いつきやそれまでの経験に基づく勘による介護ではなく理論とデータに基づく介護が必要であると考えています。

ここでいう、理論とは、利用者の自立支援をするための介護に関する理論をいいます。

弊社では、自立支援介護を、「加齢、生活習慣及び個人の素因等の複合的な要素によって生じる認知能力の低下及びそれと関連して生じる日常生活・社会生活に支障が生じるような症状を取り除き、その人が自立した生活を可能とするケア」と定義し、これを実現するための理論を「自立支援介護理論」と呼んでいます。

また、ここでいうデータは、自立支援介護理論上重要とされる指標を設定し、収集したものをいいます。

弊社のアプリケーションでは、このように自立支援理論上、意味のあるデータを、最適なUI /UXにより収集し、OODAループを回します。

なお、弊社は、自立支援介護理論についても、普遍のものではなく、データ分析によりアップデートしていくものであると考えています。このためR&D部門を設け、研究者と介護現場とを結びつけて、研究を行い、理論のアップデートを行なっています。

以上の自立介護支援理論とデータをベースとし、弊社は、ケアする人に対し、必要なタイミングで、最適なケアを提案し、ケアする人の意思決定を促進するアプリケーションを開発していきます。

2. OODAループと生産性向上

PDCAでは現場は変わらない。

PDCAでは、その起点はPlan、すなわち計画とされています。

しかし、現場でなんのデータにも基づかない課題設定を行なっても、適切な計画ではない以上、効果が出ないばかりか、現場に大きな負担が生じるだけとなってしまいます。

日本の介護の現場では、人口減少により人材の確保が益々困難となっており、生産性向上を避けては通れません。

弊社は、介護施設の生産性向上は、PDCAではなく、OODAループにより実現すべきであると考えています。

OODAループとは、アメリカ空軍のジョン・ボイド氏により提唱された、意思決定と行動に関する理論であり、現在では広くビジネスの世界でも適用される一般理論となっています。

「みる」(観察:Observe)、「わかる」(状況把握:Orient)、「決める」(意思決定:Decide)、「動く」(行動:Act)で、それらの頭文字をとって、OODA(ウーダ)と呼ばれています。

OODAループにおいては、現場変革の起点を「観察」に位置付けています。

弊社のアプリケーションも、このOODAループをアプリ内で実現できるように、まずは現場で何が行なっているのか、「観察」します。この「観察」という段階では、ケアする人の観察やセンサーによる利用者の状態変化を記録して評価します。
この、観察段階での記録・評価をいかにユーザーの負担を最小化できるかが重要となります。

3. 弊社のUI/UX作りの理念とその方法

弊社は、OODAループの起点となる観察を的確に行い、実行的なOODAループを回すためには、アプリケーション入力者の負担を最小にするUI/UXが必要と考えています。

現場へ負担があるシステム導入では、結局、生産性向上にはつながりません。このため、ユーザーコストを最小化したUI/UXを開発しています。

このUI/UXは弊社の理念と密接に結びつき、弊社の企業価値にも直結しているため、すでにこのUI /UXについて複数の特許出願も行なっています。

このUI /UXは、次に述べる医療機関と介護施設との間の分断を解消し、地続きにするにあたってもキーとなります。

弊社では、このようなUI /UXの開発にあたって、徹底的に現場でヒアリングを行い、アジャイル開発により、改善を行なっています。

これが実現可能なのは、弊社が介護領域の現場を経験した専門家集団であり、また弊社のコネクションにより、介護現場からのアプリケーションのフィードバックを活かせる環境にあるからです。

4. 医療機関と介護施設におけるケアの分断を解消

弊社のアプリケーションは、介護施設だけでなく、医療機関にも必要とされています。厚生労働省の令和2年(2020)患者調査の概況によると、入院患者の約55%が後期高齢者となっている状況においては、術後にできるだけ早く、QOLに向けた適切なケア等を行い、患者のQOLの低下に対応しなければなりません。もし、QOLが低下したまま介護施設に戻れば、その後も入退院を繰り返すようになり、医療費が嵩み、日本の財政圧迫の原因となっています。
弊社のプロダクトを医療機関にも導入することにより、医療機関で医療行為後に行われるケアにおいても、弊社のアプリケーションを導入し、同一のUI/UXで情報を管理することにより、医療機関と介護施設との間のケアの分断を防ぎ、地続きでのケアが可能となります。

5. 弊社のプロダクトが持つ社会的インパクト

弊社のプロダクトによれば医療機関と介護施設での高齢者のケアの生産性を大幅に向上させ、少人数によるケアが可能となり、また介護の質も高めることができます。これにより、働きやすい環境となり、離職率の防止や採用コストの削減につながります。
さらに、弊社のプロダクトにより、高齢者が適切なケアを受けて、認知機能を回復させることができれば、これまで介護を受けるだけであった利用者が、労働力として活躍できる可能性も出てきます。
以上の通り、弊社のアプリケーションは、高齢化が進み、介護人材の確保に悩む国々にとって大きなソリューションとなります。

6. 世界展開への展望

弊社の開発するアプリケーションは、最適なケアを看護と介護の領域に地続きで提供することにより、高齢者のQOLを大幅に向上させつつ、介護にかかっているコストを大幅に削減するものです。

このため、高齢者への社会保障に多額の財源を割いているEU加盟国や北欧の国々、少子高齢化が進み、十分な介護の担い手がいないシンガポールやタイなどの国々においても、ニーズがあると考えています。

弊社のプロダクトは、自立支援介護理論という認知症ケアにおいて、世界最先端の理論をベースとしたアプリケーションであり、世界で認知能力の低下に苦しむ高齢者や、その高齢者をケアする介護施設の職員・家族を救うものです。
世界の市場においても、まん中でケアする人へおもてなしをするという弊社のビジョンを実現していきます。